演出についての説明ブログ

すみません、遅くなりました(2008/12/21)



ここのところ作業がいっぱいいっぱいでもうどうにもなりませんでした。
ただでさえ更新の遅いブログなのにほぼ一ヶ月展開なしという体たらく・・・本当にすみません。
年末になってきて、いろんなところの忘年会に顔を出させて頂くと、業界の方からも心配してお声をかけて頂きます。
なんか心配かけちゃうのも申し訳ないので、できるだけ更新しようとは思うのですが。
まだ年賀状の準備すらしていない・・・ていうかもう間に合わないかも。あ〜〜〜あ。

さて、今回の本題です

良ければ、佐山監督は何故アニメ監督になられたのか、経緯を教えてくださいませんか? 私は来年、大学へ進み、アニメーションの勉強をしようと思っております。 具体的に、何をしていけばアニメ監督を目指せるのか、アドバイス等を頂けたら幸いです。

これは先日、メインページの掲示板の方にコメント頂いたご質問です。
今回はこれにお答えしようと思ったのですが、色々誤解のないようにまとめていこうとすると、私の現在に至るまでの経緯とか、監督、演出の仕事の内容だとか、かなり細かくお話しないとだめなような気がして・・・そうなるととてもじゃないけどブログでも語りきれる内容じゃないなぁ、と。
以前も専門学校の話でそんなことになりましたが。
なので、詳しい事はいずれメインページのレポートの方にあげさせて頂くとして、この場ではとりあえず簡単な心構え的な事を語らせて頂きましょうか。

アニメ監督になる上で重要な要素を三つ。

勇気希望です。

あ、待って。引かないで。決して茶化している訳ではありません。まぁ細かく説明して行きましょうか。

まず、アニメーションという媒体は自己の内面を表現して公に開示する方法としてはかなり特殊な部類に入ると思います。
何が特殊かと言いますと一番は、作業分担の多さでしょうか。アニメーションはその作業量の多さからイラストや小説などのように個人の作業でまとめきることはなかなか難しい。自主制作の短いものであればそれも可能だと思いますが、商業的なものになると決められた短い期間の中ですべてを賄うのはまず不可能でしょう。それは金銭的な事も含めてです。
実写でドラマや映画を作る際にもかなりの分担作業になりますが、アニメはそれ以上に細分化されます。といいますのも、実写で言う所の役者さんはシリーズを通して同じ人が当然一つのキャラクターを演じているわけですが、アニメーションの場合は設計図を元に多くの原画さんが絵におこす作業をするため、一つのキャラクターでさえ芝居が統一されにくいという現実があります。
自分の思う所を余す事なく表現しようと思うと、それらの多数の人々を制御する必要があり、かなりの労力を要します。
アニメーションを生業にしている方はやはりクリエーターとしての個性が強い方が大変多いので、完全に制御する事はまず無理でしょう。
それをふまえた上で、何故アニメーションという媒体を選ぶのか、今一度立ち戻って考えて頂く必要があるかと思います。
要するにアニメーションをどれだけ愛せるかということですね。特殊な仕事故、がなければ続きません。

作品としてまとめていくためにはやはり統制をとる舵取り役が必要です。それが監督にあたるわけですが、上記のような色々な個性を持っている方々を自分の思う所に誘導するためには、自分の中に正確な地図・・・確固たるビジョンが必要です。
時には激しく意見をぶつけてくる方もいるでしょう。別にその意見を無視しろといっているわけではありません。自分が納得できるなら取り入れる事も必要ですが、こちらをたてればあちらがたたず・・・といったように、その都度ふらふらするのは困りものです。本来目指すべきところから外れそうで、しかもその途中修正が自分の力ではできないのであれば、『それは違う』とはっきりさせる勇気が大切です。
舵取り役がふらふらしてしまったら、まとまるものもまとまりませんから。
現場でもそうですが、視聴者のレビューなどに対しての気の持ち方も補足しておきましょうか。
最近はインターネットの普及により、視聴者の反応をかなり早く知る事ができます。しかしながら、それを気にしすぎると作品がぶれる原因になりますのでご注意下さい。
まず、アニメーションはシリーズ物は話数ごと一週間単位でずらして同時作業をしていますが、ひとつの話数をシナリオからフィルムを完成させるまでおよそ3ヶ月かかると思って下さい。
なので、どんなに放映後のレビューが早く届いても、それを次の話数に反映する事は絶対にできないのです。反映させるとして可能なのは3ヶ月後に作業inする話数から・・・12話以降。1クールの作品なら終わってます。わかるでしょう?無理だって。
それを気にする人は、それができないことのジレンマに非常に苦しんで自分を見失うことになってしまいます。でも無理な物は無理なのよ。私は気休めとか嫌いなのではっきり言いますよ。世の中には頑張ったってできないことはあるんです。だからしょうがないじゃない?
何を言われても自分が監督としてたっている以上は『こうするんだ』という強い意志で突き進んで下さい。
視聴者からの有り難いご意見は、次の作品に生かすため大事に胸にしまっておけばいいのです。
何が正しいか、間違っているかなどそのとき誰にも判断できません。万人が納得する作品など誰にも作れません。
ただ、間違った選択を続ければ業界的に抹殺される・・・仕事がこなくなる・・・それだけです。あなたの全てが失われるわけじゃない。
そういった社会的な制裁を受けるまでは自分を信じてもいいんじゃないかなぁと思います。だって表現したい事があるからこの仕事してるんだもの。
仕事を頂けるうちは、まだ自分に賛同してくれる人がいるんだと自信を新たにして、同じ主義主張を持つ仲間とともに仕事に励めばいいと思います。

一番大切なのは実は最後の項目かも。
希望・・・というか願望?いや、理想かな?『こうだったらいいな』『こういうことは許せないからこうしてやる』とかそんなこと。これらを常に意識していることですかね。
総合的にまとめると『想像力を養う』とかそんな感じ?
アニメーションは二次元の世界を三次元的に表現するまやかしのものなので、言うなれば妄想の具現化です。
また、キャラクターの動き、思考などほぼ演出の意向が反映される物なので、演出は登場人物全ての役をこなすマルチなタレントみたいにならなくてはいけません。
だから想像力がないと絶対無理です。妄想癖のある人は非常に向いているかもしれませんね。
五感からはいってくる情報からいろいろ想像する訓練をするといいかもしれないです。
音楽をききながら、その曲にあう人物像を想像するとか、止まってる絵画をみながらそれが動く様を想像する、街で人を見ながらその人の生活を想像する・・・何でもいいです。でもアニメだけをみているのはダメです。同じ媒体から得た情報はコピーと一緒で、マスターよりよくなることはありません。むしろ劣化して行くばかりですから。

と、こんな感じで取り急ぎまとめてみましたが、美和さん・・・少しは参考になりますか?なったら幸いです。
演出という仕事は目に見えにくく、一般の方には殆ど未知の世界だと思うので、よく仕事の内容を誤解される事もあります。
その辺の誤解を解くのも含めて、今度レポートをあげますので、よかったら覗いて下さい。
長文におつきあい下さり、ありがとうございました。


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