よくある演出技法の説明ブログ・2

落とし穴(2009/10/12)



我々アニメ業界人は時として自ら気づかず落とし穴にはまっている事があります。
落とし穴というのは、『説明した気になっちゃってる感覚』
テレビシリーズなどをやっていると当然、伏線やら裏設定やらを張り巡らせて、視聴者を飽きさせないようにできるだけ工夫を施しますが、それを『解明した』あるいは『充分説明した』と思い込んでしまうことがあるのです。
というのは、メインページのレポートでもお話ししているかと思いますが、この仕事、やたらと打ち合わせが多いです。
打ち合わせによって各部署とコンセンサスをとりつつ作業を進めないと後々面倒な事が起こるからなのですが、この繰り返される打ち合わせそのものが逆に我々を陥れることがあるのです。
『注意しとけよ』と言われてしまえばそれまでですが、どんなに注意してても人間、うっかりミスはあるものです。
あまりにも打ち合わせの回数が多いがために、自分たちの中ではそれは当たり前の事・・・周知の事実的な感覚になり、イレギュラーのスタッフに伝え漏れがあったり・・・いやそれくらいならまだいいですが、本編上全然説明が不十分なのに、それに気づかない、説明しているという思い込み
また、尺の調整をしているうちに必要な設定説明部分を切り落としてしまって、フィルムになるまで気づかない・・・そんな失敗もあるかもしれません。
意外とコンテマンとして他所様の仕事をさせて頂いている時には引いた目線になれるので気づく事なのですが、これが自分が監督してたりすると案外気づかない
だから、各話のコンテマン様、演出様には是非気づいた事を指摘してもらいたいと思います。
現場のスタッフがわからないことが、視聴者に伝わる訳ないですから。
私も逆の立場の場合は努めて疑問はぶつけるようにしています。それと同じように意見を戦わせたいのです。
自分勝手なフィルムを作らないためにも・・・

そういう目線で監視をしてくれるスタッフ・・・コンスタントに入ってくれるスタッフというのは、とっても大切です。
なので、作品作りにおけるローテーションの組み立てを、制作の方々には軽んじて欲しくない。
フィルムが出来上がればいいわけではないんです。歯抜けのシフトが漠然と埋まればいいんじゃないんです。
絶対に現場のシステム構築は事前に出来るはず・・・不要な混乱は未然に防げるはずなんです。
みんなで頑張りましょうよ。気持ちよく作品を作るためにも。
とはいえ、私、今回の仕事は少し孤独な時間を味わう事になりそうですよ。端から見てやばそうだな、と気づいたら『お前変』って注意して下さいね。本人きっと気づいてないですから(笑)


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