契約についての説明ブログ

守られるべきものは・・・(2010/03/16)



不況です。アニメ業界ももちろん大変です。
一時は未経験者であっても仕事に困る事はない・・・という時期もありましたが、今は他の業界と平等に不況のあおりを食らっています。
倒産したり、縮小したりする会社も目立ち始め・・・報酬が未払いのまま生活に困窮しているスタッフの喘ぎ声を聞くと、どうにかならないものかと歯がゆくてなりません。
『もう生活ができないから・・・』とやめていく能力のある人たち。彼らの生活を守れなければ、業界はたちゆかなくなります。
そもそも、本来貰えるはずの報酬をもらえない・・・または突然減額されるというありえない状況を生み出す原因は実に明らかです。
何度かこのブログでも、メインページの方でもお話ししていると思いますが、アニメ業界人の半分以上(とくに原画マン、演出)は会社に所属していないフリーランスです。
我々フリーランスの生活を保障してくれる・・・守ってくれるものは全くありません。法ですら守ってはくれません。 なぜなら、仕事の契約が口約束でしかないからです。

例えば仕事上不当に生活を脅かされることが起こり、それを訴えたいと思っても、その証拠となる書面、契約書は殆どの場合存在しません
ありえないことですよね。それは『契約』とは言えないことは分かっています。でも、なかなかそれをただす事が出来ない現実があります。
まず、アニメーターや演出家は、特別な契約を交わさない限り、著作権を主張することは今現在できません
これはアニメーションが集団作業によるものであり、これを全て認めてしまうと著作権保持者が多くなりすぎて、保証、管理する事が非常に難しいため、著作物(原画やコンテなど)を権利を含めて『買い取り』にするという暗黙のルールになっているからです。なので、今後も認められる事はまずないでしょう。それはやむを得ないことですし、それをどうこうしようという物でもありません。
そういった細々とした金銭のやりとりがないため、契約書を交わすことが大抵省略されてしまいます。これが命取りなんですよね。
いざ、一方的に契約を反故にされ、理不尽さを公に訴えた所で、勝ち目はないんです。弁護士の相談料5250円が無駄になってしまうだけです。
大手の会社さんでは契約書を先方から提示される事がありますが、それらは大概先方の権利を守るための物であって、個人を守ってくれるものではありません。また、作品毎に変わる労働条件を全て満たすものでもありません。
本来守られるべきは立場の弱い個人であって、その個人によって業界が支えられている事を忘れてはいけないのではないでしょうか。
契約書は作品毎に、作品の状況に応じた契約内容でその都度交わしていかなければ意味がないのでは?
しかし、そこまで発注元に要求するのは酷というもの。分量がハンパないですからね。
だから自分の生活は自分で守るしかないんです。
こういう手続きを『面倒くさい』と言って避けてしまう人、業界にはとても多いです。わかりますよ。
私も面倒ですから
でも、契約書を交わすまではいかなくとも、発注表を発行させ、納品書をつけて納品し、受領書を返してもらう・・・それは今後自分たちのために必要な手続きだと思います。
とにかく書類を残す
口約束でも安心だった・・・『仁義や良心』で成り立っていた業界ではもはやありません。
日本で培われた『ジャパニメーション』技術を後世に残すためにも、まず自身の生活の安定(金銭のことだけでなく休暇や労働条件も含めて)を重要視して下さい。
体を壊してまで何かをすること・・・それは美徳ではないと私は思います。せめて人としての当たり前の生活が営めなければ、いい作品は作れないと思いますから。

体を壊したり、生活がたちゆかなくなってやめていった人たちに何も出来なかった事が本当に悔やまれてなりません。
もっと早く相談してくれたら・・・というレベルでもなく、今の私にはそんな人たちを救ってあげられる力が根本的にない
いずれはどうにかしたいと思います・・・でも今現在困窮している人たちに手を差し伸べることができないのです。
今、まさにその『手』を持っている偉大なる方々・・・どうか彼らの声を聞いてください。彼らの能力を葬らないで下さい。
本当に本当にお願いします。


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