めざせ、マイホームへの道

第一章・一丁家でも買ってみるか(2005/7/30)



序章の経緯で家を買おうと決めた我々アニメ業界人夫婦。しかし、家なんて今まで買ったことがありません(当然だ)。
そこには計り知れない様々な問題が待ち受けていたのです。(これはあくまでも10年前の経験談です。物件の相場などいろいろ変わっていることもあります ので、その辺は噛み砕きつつ読んで下さい)





●家ってどう買うの?

さて、はじめての大きな買い物です。どこから着手していいか全く見当もつきません。とりあえず、

1)物件に対しての自分達の希望をまとめる

2)その条件に当てはまる物件の相場を調べる


から始めることにしました。
前書きにも書いてあるように、2Kの間取りでは少々窮屈になってまいりました。寝室・仕事部屋・猫の部屋と分けて、御飯を食べるところを別 として考えると、最低でも3LDK、できれば4LDKは欲しいところです。
場所的には都内、もうこれは絶対。普段は車を使っていますが、電車で移動することが全くないわけではないので、駅からもあんまり遠くては困ります。徒歩10分くらいがいいな ぁ。仕事場からの利便性を考えてJR沿線。でも大通りに面してると車の出し入れが不便なのでNG・・・ 結構要求だけは多いです(^^;)
上記の条件で当時住んでいた近辺の物件の相場を調べてみますと・・・うちら二人の年収合わせた10倍・・・_| ̄|○
どんなに無知な状態でも、手が出ないことは容易に想像できます。条件をやや下げて、あと金銭的な工面を考えなきゃ。

●お金、どうしよう・・・

まず、自分達の身の丈に合った物件(金額)がどれほどのものなのか、把握する必要があります。法律的な事も含めて、念頭に入れておかなきゃ いけないことをいろいろ調べました。まず

1)住宅を購入するための資金繰り

サラリーマンの方ですと財形貯蓄(ここでは財形住宅融資にのみ触れます。それ以外の財形は私にあまり関係ありませんでしたので)とかで職場からの援助を受けたり色々幅が あるのでしょうが、私達にはそれがありません。
当時私は某会社に社員として在籍していたので、それまでその制度を利用してはいませんでしたが、もしかしたら利用できるかもと期待して 会社に掛け合ってみました。なぜなら『財形住宅融資』は、1年払っていて50万貯えていれば融資が受けられるからです。ぎりぎり今から払い込めば間に合うかもしれないと考えました。しかし・・・ 結果は玉砕。そんなシステムはとってないし、今後もとれないといいます。
冷静に考えれば賃金は一定ではないし、社会保険ですら加入していないわけですから考えが甘かったですね。でも、当時の私は 源泉徴収の1割以外に2割会社から天引きされていたので、手続きをふめば保障を受けられるのではないかと思ってしまったんですね。そうでなければ、『社員』であることのメリット(デメリットは金銭以外にも 仕事の制限とかいろいろありますが)がないじゃないですか。天引きされた2割のお金の使途は私達にはわからないのです。気持ち悪いと思いませんか?これはアニメ業界 の一つの問題かもしれません。
『社員』とは いっても『個人事業主』と変わりません。『社員』という認識が一般の会社と違うので、むしろ『社員』という表現が悪いのかも。最初から『個人事業主』と認識していれば割り切れたのかもしれません。 そういった保障が受けられない以上社員とは言えませんしね。
実際国民健康保険のトラブルもありました。引っ越しの手続き時うっかり所属会社の名前を言ってしまったために、『会社に所属している以上、国民健康保険には入れません』とつっぱねられたことがあります。 でも社保はないので国民健康保険に入るしかありません。日を改めて、違う担当者を狙って『フリー』と言い直して手続きしました。何か犯罪者の気分になりました。
『アニメ業界の問題』というのはやや乱暴ですね。私が所属していた会社がたまたまそうだったのかもしれない。今はきちんとした会社が増えているかもしれませんが、今でもこのような会社がないとも限りませんので、 これから就職される方々はそのような部分も注意しておいた方がいいと思いますよ。・・・と大幅に話がずれてしまいましたが元に戻しますね。
財形貯蓄は望めず、郵貯の住宅積み立てなどもやってませんでした。なので、頼りは『公庫』か『銀行』のみ。
しかし、公庫は購入物件の条件が非常に厳しく、使えるかどうかは物件によります。しかも物件の最大8割までの融資です。おいおい後2割どうすんだよ・・・というわけで、ここはもう銀行頼りでいくしか・・・。
銀行で借りる場合、判断の基準になってくるのが月々の返済額です。月々の返済額が収入の5分の1以下でないと認められません。要するに年収(所得)の5倍の物件で、担保性がきちんと認められれば100%の 融資も可能・・・しかし、ここが落とし穴。きっちり5倍の物件ではだめなんです。利子含めての金額なので、せいぜい年収の4.5倍でしょうか。・・・ってそんな落とし穴にはまる奴いないって(^^;)
自分達の収入から考えて、大体購入可能な金額は見えてきました。まだあくまでも予測にすぎませんが。

2)法律的な問題

家を購入するのはいいですが、その後どんな問題が出てくるのか把握しておかなくてはなりません。というわけでいろいろ調べました。まずは税金。
毎年固定資産税がかかりますが、覚悟さえしておけばなんという ことはありません。あと、もっとも注意しなくてはいけないこと・・・『贈与税』です。
うちのように共働きの夫婦が家を購入する時、双方が購入資金として出した金額と登記上の 資産の持ち分割り合いをきちんと合わせておかないと、事実との差額の部分に贈与税がかかってしまうのです。夫婦でも、もちろん親子でも税金がかかるんです!お〜こわ! 登記の際には充分気をつけないと・・・。
うちは基本的に五分五分夫婦なので、権利含めて五分五分にしておけば問題ないのですが、一般の方ですと購入資金はは夫持ちでも、所有権は妻として 半分欲しい・・・という心情があると思います。贈与税を発生させずに所有権を共有名義にすることができないわけではありません。その場合は、『夫に借金したことになる』のです。
借金なので、当然返済することが大前提です。その返済方法やら何やら、きちんと法的な手続きをとって文書にしなくてはなりません。しかも無利子の貸借は不可です。さらに酷いことには、 妻が払った借金の利息に関しては夫に所得税がかかるんです!もっと嫌〜〜〜〜〜!ヽ(`Д´)ノ
だったら最初から金払うよ。やだなぁ、法律って。
これに関しては後であやうくミスするところでしたが、ここで事前に調べておいてホントよかったです。


3)その他の費用

家を買うためには物件そのものの代金の他にさまざまな諸費用がかかります。これは後で詳しく説明いれますが、とにかくその費用の額面にびっくり!・・・少々へこんだのと、馬車馬のように働き 始めたのは事実です。

●物件選びで何が問題?

お金に対しての覚悟ができたので、今度は物件を探す上での注意点を確認しなくてはなりません。欠陥住宅などは論外なので、ここではそんなことには触れません。
何ぶん予算がギリギリ感ありありなので、更地に建築などという考えはまったくありません。 それよりも場所の方が大事!というわけで、 中古をリフォームまで視野に入れて探します。中古住宅には、諸経費が余分にかかったり、担保評価が低かったりとデメリットもあります。しかしなにより価格の低さが魅力です。同じ規模の新築物件の8割くらいで購入できます。この辺の損得感情は人によって 色々違うと思いますので、購入の際にはいろいろとシュミレーションされることをお勧めします。
でも、ポストによく入っているチラシとか見ても、結構わからない用語が一杯。これって・・・

1)借地権と所有権

大概の人は御存知かと思いますが、土地に関しての権利ですね。建物の下にひいてる土地まで含めての売買なのか、上物だけなのか。うっかり借地だったりすると、借地料も発生するし地権者といろいろ 面倒なこともありそうだし。せっかく自分達の家を買うのに、人の土地の上に建ってるのはいやだなぁ。私は絶対所有権only。一戸建てだとあまり見落とすことはないと思いますが、マンション購入時には見落とすことも あるかもしれません。売買契約を交わした後に気付いても後の祭りですので、気を付けた方がいいと思います。

2)建蔽率・容積率

その建物が存在する地域によって計算が変わってくるのでそれに関しては記述しませんが、敷地に対しての建物の規模の割合です。建物を建造する時に必ず建築計画書を業者が出すわけですが、 どうもその計画書と異なる工事をしている物件も数多くあるようで・・・。何が問題かといえば、『リフォーム』ですね。最初に建っている物件が充分な広さだったからと安心して、いざ上物を建て替える 時に『規定に違反しているので、規定にそって建築してください』という話になって部屋一つ分小さくなってしまいました・・・なんてなったらもう。
・゜・(ノロ`)・゜・。

3)セットバック
これも2)に似通ってますが、建築基準法に関わる問題ですね。今建てられてる物件などにはめったにないと思いますが。建築基準法では幅4m以上の道路に敷地が2m以上隣接していなければならないと いう決まりがあります。しかし、この基準法が適用される以前に建てられた物件などはこの基準に沿ってない物もあり、立て替えの際に改善を求められます。周囲を別の建物に囲まれたありえない物件になると もはや立て替えは不可能。また、面した道が4mに満たない場合は道が4mになるよう、すなわち道の中心から2m分後退(セットバック)しなくてはいけないのです。部屋1個ゆうに減るじゃん!
セットバックの『セ』でもみかけたらもう近寄りたくないです。『セットバック済』ならいいですが・・・。古いマンションとかの方が危なそうですね。この場合恐らくセットバックで減るのは共有スペース だからあまり痛くないとか考える方もいるでしょう。工事費用はあなた方が払う『修繕積立金』ですよ。キャ〜〜〜〜〜!!ヽ(゜Д゜|||)ノ



さて、大分覚悟ができました。早速お家を買うべく不動産やにゴー!!・・・なんて、全然甘かったとです・・・。落とし穴はこんなもんじゃないんです。
続きは第2章にて。


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