めざせ、マイホームへの道
第三章・ええ、奥さんですけど・・・それが何か!?(2007/6/11)
二章の経緯でいろいろ知恵がついた我々アニメ業界人夫婦。さていよいよお買い物。あまりに大きい買い物でドキドキです。 でも・・・何か・・・何かがおかしいぞ? |
●はじめの関門・・・ローン審査 お気に入りの物件を見つけた私たちは、ついに購入するにあたっての最初の関門にぶちあたりました。そう、お金の工面です 第一章で私たちの懐事情は説明していると思いますが、融資は銀行に頼るしかなく・・・また、このお世話になった不動産会社が某銀行の系列会社だったので、その銀行にローンもお世話になる事にしました。とはいえまだ審査前。 審査に通れば晴れて物件購入ということになりますが、もし通らないと・・・本当に冷や汗ものです。 きっと普通のサラリーマンの方々はこんな時にこんな不安を抱く事もないのかもしれません。でも我々はこれよりももっと些細な事で屈辱を味わってきたので、こんなおお事本当に怖いのです。というのは 1)信用がやたらと低い そもそも、お金を借りる以前から我々は信用が低いのです。例を挙げればクレジットカード。その名の通り信用をお金に換える貴重なアイテムです。 今のご時世、カードを持ってない人は殆どいないのではないかと思われるくらい浸透してますよね。 私はあまりカードのシステムが好きではなかったのではじめは持つ事にためらいを感じていましたが、ネット社会になってきてどうしても必要に迫られたので、最低限の二社分カードを作りました。それで十分賄えています。 が、そのカード・・・カードの存在に小さな屈辱を与えられているのです。 給料の振込を一つの銀行に絞って設定すると、時折とんだ誤解を招くことがあります。これは特に私の場合。 夫は契約社員なので月の収入はほぼ一定なのですが、私はフリーのためたまにどかっとまとまって銀行にお金が入ることがあります。こんな時・・・やってくるのが銀行からの投資話とゴールドカード。 投資にはまったく興味がないのでいいのですが、ゴールドカードは『一つくらい持っててもいいか』という思いにかられ、申請したことがあります。しかし結果は・・・ 『申し訳ありませんが今回お客様は審査を通過する事ができませんでした』 って、おい。あんたが入れって勧めたんだろうがよ!無理なら最初から勧めるなよ!! とはいえまぁ、勤続年数とか言われましてもフリーなものですから・・・誰も私の身の上を保証してくれるところはありません。仕方がないことだと思います。 しかし、お金を借りるか借りないかもわからないカードですらこの有様ですから、ハナから数千万借りようというローンでどうなるか・・・考えただけでも枕を濡らさずにはいられませんでした。 2)審査のために確定申告書を提示 私たちには給与明細というものがありません。なので、収入を証明するものとして必要なのは『確定申告書』。 序章の時それを匂わす記述があったと思います。これです。これで後悔するのです。 まずローンの借り入れ可能金額は収入額に比例します。収入が高い人程借り入れ上限額も高くなる・・・当然ですね。 でも我々は還付申告をして自らの収入評価を下げている・・・その書類を提出しなくてはならないわけです。もちろん事実にのっとって作成している書類です。必要経費は必要経費で支出されているわけですが・・・この仕組みを知っていればたとえ還付金が戻らなくても必要経費を少なめに提出して収入額の一時的な数値だけでも高く見せることができたかも・・・いや、そんなことは無理。 審査に必要な確定申告書は過去5年分。5年間もそれをやっていては生活に響くってのさすがに。 知らなくて正解だったのか・・・今となってはそう思う事に決めました。 ●奥さんは半分・・・なぜ? それぞれの収入を証明する書類を携え、不動産会社に審査の請求に行きました。そこに予想外な障害が立ちはだかったのです。 これはもう、未だに理解ができません。でもそういう決まりならもう仕方がないというべきなのでしょう。実際打開するすべはありません。残念ながら。 この件に関しては、セカンドハウスの購入時にもまた別の角度から不愉快な思いをすることになりますが、それに関してはまた後述します。 まず、前のレポートで我々夫婦が別財布なことはお話ししていると思います。そしてこの物件購入に関しても完全折半を目標にしていることも。 それは今の生活の事もありますが、一番の懸念は双方に何かあった場合の・・・残された側の生活の保障です。 私にしろ、夫にしろ、独りになった時に生活が立ち行かなくなっては困ります。そのためにはお互いが独りでも生きていけるだけの生活力を常日頃から維持しておく必要があると考えておりました。 お互い生命保険などの万が一の保証は当然身に付けておりますが、その金額でどのくらいの生活期間が賄えるのか・・・冷静に計算すれば微々たるものです。 縁起の悪い話ではありますが、どちらかが先に逝ってしまった場合の各手続きや葬儀の費用、それが長く闘病を伴っての場合などはその時にかかる費用、そして片方が仕事ができない状況になると収入が半分・・・いや、看護などのことを考えればもう一方も仕事に支障が来るので三分の一になると考え、その時の生活費の補填分・・・かかるお金は実に多額なものです。 おりてくる保険金から賄ったとして、残ったお金でどのくらい生活できるかは人それぞれの生活の仕方や、かけている保険金の額によって変わってくるのでしょうが、決して安穏としていられないことだけは予測がつきます。 とくに我々のように不安定な仕事の場合、いつ何時収入が0になってしまうかわからないのですから。 それを肝に銘じた上での『完全折半』です。 どちらかの収入に依存していると、不慮の事態に備えられない。共同の生活を維持する傍ら、お互いに備えをしておくのはドライな関係だとは思いません。 私は、私が死んだ後に夫の生活が今から著しく変化し、生活を維持する事に終始し、クリエーターとしての活動に影響がでることを望みません。そんなことになったらきっと成仏できないと思います。 それと資産の完全折半とどういう関係があるかと言えば、『税金』です。本人の名義でないものを引き継ぐためには相続税、そして本人が所有するものでないものに金銭を出す場合には贈与税がかかってしまう。 もちろん資産の額によって免除されることもありますが、万が一控除額を上回る事があったとして、その税金を支払うために住居を失うなんてことになったら本末転倒です。一番何かと入り用な折に想定外の支出が突然出る・・・という状態は極力回避したいからです。 はじめから資産を半分に分配しておけば、相続するのは半分。その分資産の額も半分になって、確実に基礎控除額を割る事ができると考えたのです。 まぁ、配偶者の基礎控除額は相当高いので、そこまでしなくても大丈夫な気はしますが、世の中何が起こるかわかりません。いつ法律が改正されるか、うちの地下から温泉がでるかもわからないので一応備えておこうということです。 実を言えば最初は折をみて売却・・・を繰り返すつもりだったので、資産評価が配偶者の基礎控除額を上回る可能性も念頭に入れていました。 このことは夫も知らないと思いますが、今となっては考えが甘かったなぁ、と。(笑)世の中そんなにうまくはいきません。 今の生活維持するのでもえらいことですから。 長くなってしまいましたが、そんな思惑で望んだ審査。我々の計算の上(互いの収入とそれに対しての一般的な融資上限額など)では可能な数字なはずでした。しかし・・・ 『奥さんの収入は半額しか認められないんですよ』 何ですと!? 妻は仕事を継続する確証がないため、収入の安定が望めないとかうんたらかんたら・・・そんなすべて憶測でものを言われても!確かに妊娠したら一時は収入が下がるでしょうよ。でも私は出産の前日まで仕事をしていた女性の演出さんを知っていますし、お金が必要なら働くでしょうよ! 子育てに関しては夫婦同等の責任があると思うし、なぜ奥さんだけが認められないのか。 『そういう決まりなので・・・』 取りつく島もありません。要するに私の収入評価額は半分。当然融資上限額も半分です。腑に落ちん! ●合算という手がありますが・・・? 不動産屋さんから持ちかけられたのはこの提案です。要するに私の収入を旦那の収入として申告し、合算で申請しろということです。 まずはそれって可能なの?という疑問がありました。 私は個人事業主として毎年収入を居住地に申告しています。扶養には入っていません。各税金夫婦別々に払っています。 購入後の審査がどれほど密なものかは知りませんが、住居等大きな財産を取得した場合、それにかかる費用をどこから出しているのか・・・それに税金は課せられないのか、査察が入ります。それで結局課税対象とみなされて、後から税金を徴収されたりする危険とかあるんじゃないの? 不安になってその旨伝えると『税金かかりませんよ、夫婦なんだから』という返事。今ひとつ納得できません。 私の解釈としては、名義を分割にするのには私に贈与税がかかりますし、夫の購入資金にも贈与税がかかります。 私たちは当時まだ結婚1年目で夫婦の特別控除対象ではありません・・・法律上では極めて家族に近い他人とみなされている状態です。ちなみに今でもまだ法律上ではきちんとした夫婦と認められていないことになります。特別控除の対象は婚姻20年以上なので。 また、これが通用するのだとして、その場合余分な出費を省くためには共有名義をあきらめ、夫の単独購入という形をとるということになると思いますが・・・ちょっと待て。 私が例えば突然三行半を夫に突きつけられた場合、私の貯蓄は失われ、家の権利もなく・・・ただ路頭に迷えと言われているということではないのか? それは全くできない相談です。 *実際には離婚時の財産分与の場合、財産の半分を請求することができますが、これは負債を差し引いた額になるのでこの時点ではむしろマイナス額の方が多いと思われます。 結論を出せずにいると、『税金かかりません』といってきた不動産やが前言撤回してきました。やはりかかるのです。解釈は間違っていませんでした。 ちなみにこれは私が扶養に入ってるとか入ってないとか・・・それさえも関係ありません。とにかく現金にせよローンの返済にせよ、持ち分のない人間がその金銭部分に関与すると、それは名義人である本来支払い義務のある人間に対しての『贈与』とみなされるのです。 早い段階で気づいてよかったです。あやうく我知らず脱税をするところでした。 ちなみに以前のレポートでいい加減な不動産屋の話がでていたと思いますが、この不動産屋さんではありません。この方はきちんと間違いを正して、なんとか手だてを考えようとしてくださったので。 ひどい不動産屋は、とにかく法律のこととかローン審査のこととかにはいっさい触れず、不安に思ったこっちが切り出すと専門用語を並べ立ててはぐらかしたり、話題を切り替えるような人でした。何としてでも買わせようという感じです。それこそ闇金融を使わせてでも。 その時の対応は、あからさまにこちらを見下したような態度で『どうせ素人だからわからないだろう』という雰囲気すら感じました。そう思ったのは実は最近です。 最近増えているリフォーム詐欺や、ハウスクリーニング詐欺に見られる態度の典型にとても似ていると感じたのです。 例えば排水パイプの清掃や羽アリ駆除をあたかも地方自治体から要請されてきたような口ぶりで現れ、こちらが断ると『やらないんですか!?それでいいと思ってるんですか!?』と声を荒げて、こちらを不安にさせるというものです。 ひどいものになると始めから『奥さんがちゃんと手入れしないからこんなにひどくなっちゃったんですよ』と罪悪感を植え付けるというのもあります。そんなのは余計なお世話ですし、実際その業者が何か匂いの元をまいている可能性だってあるのです。 近所に迷惑がかかる程の匂いなら当然居住者の方が先に気づくはずですし、それに気づかなかったのはそれが存在しないからです。自分を信じていいと思います。 でも、こういう手口が存在するということは、その手口にはまりやすい人が多いという事なんでしょうね。確かに日本人は『みんなやってます』とかいう台詞には弱いですし、『あなたのせいで』とか『知らないんですか?』というのにもだまされやすいと思います。 確かに自分の知らない分野でまくしたてられて不安要素ばかりを煽られると、つい口車にのってしまいますよね。 詐欺まがいの業者にしろ、不動産屋にしろ、こちらを素人よばわりしたり、不安を煽るだけの発言が目立ったりしたら要注意です。相手がどんなに声を荒げようと、罵倒してこようとひるむ必要はありませんし、罪悪感を抱く必要もありません。 むしろ『なんであんたにそんなこと言われなあかんねん!』ときれてしまえばよいのです。選ぶ権利はこっちにあるのですから。 さて、話が少々ずれましたが税金の解釈は修正されたものの、私の収入評価は変わりません。 もうこうなるとローンに頼らず自分の分割持ち分は『現金』で払うほかありません。 最終的に私は評価額の限界でローンを組み、足りない部分を自分の預貯金から捻出しました。その額900万。 当然懐は寂しくなり、そこから数ヶ月馬車馬のように働くわけですが、とりあえずはこれでローン審査を通過する事ができました。手付けを打ってもそんなに間をあけることはできないので、物件が決まってから1週間くらいだったかと思います。 ストレスで十二指腸潰瘍になりました。サラダのドレッシングにすら悶絶する毎日・・・思い出しても痛いです。 ここで得た結論は・・・妻が住居の分割持ち分半分を手にしようとする場合は『現金』が必要。 不条理というか全然優しくない。これって女性の自立の妨げになりはしないか?と、ふと考えてしまいました。 |
十二指腸潰瘍というアクシデントにみまわれながらも、とりあえずは契約一歩手前にまでこぎつけた我々夫婦。しかし、出費はそれだけではないのです。 次の第四章はいよいよ最終回。もっとも覚悟しておいてほうがいい事柄が最後にでてきます。 |
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