めざせ、マイホームへの道

最終章〜次は絶対失敗しない・・・次なんてきっとないけど(2007/10/24)



ついに本契約にまでこぎつけたアニメ業界人夫婦。預金通帳を握りしめ、銀行の奥へ奥へと・・・。
でも問題は実はその後。





●本契約

さて、生まれて初めて数千万のお金を動かす体験をすることになりましたよ。
私はこれまでなんにつけ現金で買う主義の人でしたので、(車ですら。300を超える札を数えさせられるディーラーの人はとんだ迷惑)なんか数字だけがぼんぼん動いていくのに不安を感じましたね。
小切手のやりとりなんかドラマの中でしか見た事なかったし、悪い事してるみたいなドキドキ感に近かったかも。(笑)
初めての体験というのは、なんにつけ怖いもんですな。
ここはちょっと思い起こしながら、これから家を買う人にイメージがわきやすいように、実況チックに書いていきましょうか。
もう随分前のことなのでかなりうろ覚えではありますが。
まず案内されるのは銀行の奥の奥・・・ガラス張りだけどブラインドで目隠しできる小さい個室。
あえてガラス張りなのはなんか防犯上の理由があるのでしょうね。よくは知りませんが。でもテレビでよく見るようなあんな感じでした、本当に。
売り主さんとソファで向かい合わせに腰掛け、挨拶を交わしてからいざ、契約スタートです。
この環境は中古物件を買っているためにこうなっているのであって、新築物件を不動産業者さんから購入するのとは少々具合が違うかもしれませんね。

◇用意するもの・・・実印、収入印紙、預金通帳、銀行印、現金

実印、収入印紙は契約書を作成する時に必要なもの。預金通帳、銀行印はローンのやりとりのため、現金は不動産やさんへの仲介手数料です。
収入印紙は20000円くらいだったかなぁ?いや、物件額から考えると10000円くらいのはずだなぁ。まぁそのくらいです。(一万と二万じゃえらい違いだよ)
不動産屋さんへの仲介手数料は物件によって変わるので明確な数字は書きませんが、大体百数十万ですかね。
私は小切手など扱った事がないので現金でお渡ししましたが、売り主さんは小切手を使われていたようでした。

◇ただただ、数字の変化

ローン(銀行の融資)を受けるためにまず口座の開設が求められます。
元々そこに口座があったら違うのかもしれませんが、私は別の支店(仕事場近く)に口座があったため、新たに融資をお願いする支店に口座をつくることになりました。
同じ銀行に2つの口座を開いたということですね。
で、その通帳に融資されたお金が振り込まれます。
そしてちょっと笑っちゃうのが漆で塗った足付きのお盆にのせて通帳を持ってくる訳ですよ。きれいな行員さんが。
ご丁寧に、通帳に印字された融資額を見せてくれるんです。8桁の。
んですぐまた手続きに戻って、今度は限りなく0に近くなった通帳を確認のために見せてくれるわけですわ。やっぱり漆塗りのお盆にのせて。

この瞬間のむなしい事

ほんと一瞬ですよ。こんなんなら現金でやりとりしたいなぁって思っちゃった。その方がなんか実感あるし。
このむなしいやりとりだけで、一生で一番高い買い物は終了。売り主さんと、不動産やさんから領収書を頂いて、家の鍵をもらって解散。
なんか思ったよりあっけないなぁ・・・・。

いやいや、まだありますよ。これまで何度も言い続けてきた罠が待ち構えていたんです。

●想定外!?後からきた出費

罠、罠と何度も書いているので何か詐欺まがいのことにひっかかったと思われる方もいらっしゃるとは思いますが、そういうわけではありません。
想定外というのも実は夫に限った事で、私は別に計算の中だった事なのです。
これまでの経過の中で、私は随分な現金を用意せざるをえない状況に追い込まれていたため、手続きにかかる諸費用などを事前に細かく調べていて(そうしないとお金の工面ができないから)、それなりの覚悟ができていたからです。
夫はこの買い物自体をすべてローンで賄うつもりでいたために、心の準備ができていなかったのが最大の失敗です。
ある日・・・私が深夜帰宅すると、夫が呆然としています。あからさまに様子がおかしい。
何事かとたずねると、銀行から請求書がきたとのこと。
この請求書・・・届くということは事前に連絡、というか直接担当者から話をきいていたのです。私は。
これまで現金でまかなう部分は私に一任されていたために、夫は聞いていなかったのでしょうね。
その請求項目はローン保証料
お互い別々にローンを組んでいるので、保証料も別々です。しかもローンの組み立て額は私より夫の方が高いので、保証料も高いです。
ぶっちゃけひと月分の給料で賄える金額ではありませんでした。しかも納期限は1週間。
事前に現金を用意しておく思考がなかった夫が冷水を浴びせられた感覚になったのは仕方ありません。とりあえずなんとかしましたが(笑)
これを読んで失笑した方も中にはいるでしょうね。そんなことでトラブるのがおかしいって。
確かに冷静に考えれば、ローン保証料をローンの中に組み込めるはずもなく、覚悟しておくべき出費ではあるのですが、何ぶん初めての巨額の買い物・・・初めてのローンです。
見逃し、聞き逃し、準備不足は避けられないことだったと思います。
どんな習い事でも、毎日練習しなければ次の週にはグダグダになってます。一度聞かされたことを知識として蓄積するためにはそれなりの反復が必要ですよね。
今回のように反復できない事柄では、事前の学習と経験者のアドバイスが重要だったな、と痛感しました。
この買い物は夫婦ともにいい勉強になったと思います。

前の方の章で『銀行ならすべてをローンでまかなうことも可能』と書いたと思いますが、誤解のないように補足しておきます。
賄えるのは物件の購入費のみ、それ以外の諸費用はやはり現金で用意しておく必要があります。
物件の価格帯にもよりますが、最低でも300万・・・安全圏を考えるなら500万はみておくのがよいかと思います。

さて、長々と続いた『マイホームへの道』はこれで終了です。
一般的には「失敗した・・・てへっ」で済む買い物ではありません。
後悔する事のないよう、上手にお買い物できる手助けに少しでもこのレポートがなればと思います。
とかなんとか言って、まだ『セカンドハウスへの道』があったりするんですがね・・・、それはまた追って。



*最後の最後のグチ

この一件のさなかに私が一番強く感じたのが、『女性は<奥さん>になると立場が弱くなる』ということでした。平たく言ってしまえば、『独身の方が生きやすい』ということです。
そう感じたからといって、私は自分の結婚自体を否定しませんし、他の方々が独身を貫くことを推奨もしません。
レポートの中でも幾度もこの国のシステムについて不満を述べていたと思います。
結論として、『独身の方が生きやすい』と思わせてしまう社会環境にこそ問題があるのだと思います。
熟年離婚が増えている問題もここからくるのではないでしょうか。
奥様が自立する上での環境が整っていないからそこまで不満を抱え続けることになる。突然離婚を切り出された旦那様もたまったもんではないでしょう。
二人でなら生活できる範囲の年金を分割することによって生活がたちゆかなくなる。それは生活保護の分野にも影響してきます。
独身の方が生きやすいと早くに感じてしまった女性は結婚年齢が遅くなり、少子化問題にもつながることになります。
すべての社会問題を結びつけてしまうのはいささか強引ではありますが、まったく無関係でもないと思うのは私だけでしょうか?
私は決してフェミニストではありませんが、結婚することによって立場が弱くなるという現状のシステムには怒りを禁じ得ません。独身であろうと既婚者であろうと、そこまでに培った立場と信用は一個の人間として認められ、保護されるべきだと思います。
もちろん権利を訴える以上は義務を果たすのは必須条件ですが。
結婚というのはお互いの人生を支え合うことが目的の一つの契約ですから、どちらかに依存したり、どちらかが絶対的優位にたつというのは本質からそれていると思います。
またそれを助長しているような社会の現状は、非常に嘆かわしいことです。
大抵の人は、自分に余裕と自信のあるときしか他の人を冷静に見つめる事ができないと思います。良いところを見いだす事も、悪いところを容認する事も。
結婚生活を円満に持続するためには相手を敬うことが一番の条件であると思うので、女性、男性を問わずそういった精神状態になれるような環境が整う事を切に願います。


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